(162)白い灯

聖餐は、歩いて教会に行ける、強くて良くて健全な体と意志を持った人だけのものではありません。すべての人、特に重い病気、死にそうな人、急に事故などに逢ってあと数分しか生きられない人のためのものでもあります。死にそうな受聖餐者は、今まで以上に主を必要としています(詩編23編4〜5節)。私たちの主は困難な中にいる人を常に特別に愛して来られました(マタイ11章28節)。

ですから、ほとんどの教会では ―― それはすべての教会ではありません。 ――聖別されたサクラメントが常に保存され、用意されています(140)。だから、昼でも夜でもどんな時でも、恵みの危機にある人のために、タバナクルの中にあります。これは耐火性の鉄でできたもので、祭壇の上に鍵をかけて置かれています。内部はきれいに亜麻布が張り合わせであります。アンブリーという小さな箱に入って、祭壇の横に置かれている場合もあります。司祭はそこから聖餐を取り出して、必要な人の所に持ってゆくのです。

私たちの主の所に東方の占星術の学者たちを導いたのは星でした。『学者たちはその星を見て喜びにあふれた』(マタイ2章10節)と書かれています。現在では、保存された聖餐の前には白い灯が常に点いています。ですからすべて礼拝堂に入る人は、私たちの主が現臨されているのを知ることができます。それは星のように輝きます。私たちはどんな教会に入っても、そこに行くと『喜びにあふれ』、その下でひざまずいて神様を身近に感じるのです。
*タバナクル ―― 聖体保存所。祭壇の中央、祭壇用十字架の下に造られている。
*アンブリー ―― 教会の壁の所に造る蓋の閉まるくぼみで、普通至聖所の福音書側にある。これは聖体或いは病者のための聖油保存のために用いられる。
又、祭服、聖器、祭壇用祈祷書をしまっておくために用いる場合もある。

(H.A.ウィルソン著「チョークと子供たち」より)

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