(85)お手本

あなたがもし自分自身の服を作ろうと思ったら、型紙を買うか、借りに行くでしょう。もしマグカップや家具などを作ろうと思ったら、お手本を手に入れるはずです。ある日、主が祈っておられたのを見て、ある弟子が主にお手本の祈りを尋ねました(ルカ11章1節)。私たちの主は答えてすべての弟子たちに、そして私たちにもそれを教えてくださいました。主は山上で彼の説教を聞いていた人々に『主の祈り』を与えられたのです(マタイ6章9節)。

これは型紙やお手本のような、祈りの中の最高のものです。この祈りはいちばん多くあなたの口から出てくるはずです。この祈りは、あなたにどう祈ったらいいかを示してくれる、祈りの案内人です。これは私たちが神様の子供であること、父なる神様の栄光と意志に注意を向けること、神様の家族のメンバーとして自分たちと同様に他の人々の必要も覚えること等を教えてくれます。

これは、クリスチャンの子供が心をこめて学ぶ最初の祈りです。そして死ぬ時、クリスチャンの口から出る最後の祈りです。これは短く簡単ですが、急いで唱えたり、ベラベラしゃべるようにしてはいけません。それぞれの言葉は神聖なのです。重要な意味が詰まっています。そして私たちの主ご自身に根拠を置いています。ある瀕死の神父が、主の祈りを唱えているのを聞きました。彼はそれを長い時間かけてゆっくり大切に祈りました。

砂漠を通ってゆく旅人たちのため、なつめやしの木と水のわく井戸のあるオアシスがあります。すべての祈りは恵みをもたらします。勇気づけ、力づけてくれます。これで人生の旅を続けられます。主の祈りは、恵みの井戸に下ろす最高のバケツです。他のバケツはすべてこのバケツをお手本にして作られました。

(H.A.ウィルソン著「チョークと子供たち」より)

楽しい問答会