(77)飛行機

人生の旅を通じて、私たちには恵みが必要です。連続的な恵みと瞬間的な恵みが必要なのです(76)。あなたは天国までの道をどれぐらい旅しましたか。11年ですか。13年ですか。年とるほどに、あなたはクリスチャンとしての生活をしたいけれど、“あなた自身では”それができないことを悟るでしょう。三つの敵(10,11,12)をあなたは遠ざけなけれぱなりません。それらは、弱ったり、力が抜けたりしません。あなたが学校を出て仕事を始める頃になると、あなたは新しい誘惑に出会うでしょう。あなたがおじいさんかおばあさんになって養老年金をあてにするようになると、おそらく今あなたがしているように、楽には生活できなくなるでしょう。あなたの人生のすべてを通じて、私たちには恵みが必要です(ローマ7章18〜19節)。『あなたは、これらのことをあなただけではできません』と、賢い昔の教会の人々は、祈祷書の教会問答を通して語っています。神様の特別な恵みなしには、神様と歩むことも、神様に仕えることもできません。熱心に祈りながら、常に学び、求め続けなければなりません。

しかし、多くのクリスチャンは、祈りとは何なのか知らないので、これに失敗してしまいます。祈りを彼らは、ただ“何かを頼むこと”と考えているようです。祈りとは、精神と心を神様のおられる高いところに持ち上げることです。ちょうど飛行機みたいなものでしょう。

この世のことに心を奪われないで、精神と心とを持ち上げるのです。『精神』というのは、あなたの一部分です。これによってあなたは人や物を知ります。そして、神様はあなたに、神様を知る力も与えてくださっています(Iコリント14章15節)。あなたがその力を使うように、という意図から神様はそれを与えられました。たくさん祈れば、あなたは、神様のことと神様がこの地上や天国で行おうとしておられる計画をもっと理解できます。そして、『心』というものも、あなたの一部分です。これによってあなたは愛することができます。詩人のコールリッジは『よく祈る人は、よく愛する人だ』と言いました(ルカ10章25〜28節)。神様にいのる祈りは、あなた白身の意識を神様の存在の中に置くことから始まります(コロサイ3章1〜2節)。神様は常にあなたを見ておられます(創世記16章13節)。

(H.A.ウィルソン著「チョークと子供たち」より)

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