(43)勝利の教会

『聖なる公会』

神様の王国とか神の民の共同体とか言われる教会は、地上の戦う教会だけでなく、煉獄の待ち望む教会としても存在します。そして、天国の凱旋と勝利の教会というかたちでも存在しています。その教会もこの地上のものと同じように唯一の聖なる普遍的な使徒たちからの教会です。私たちの主が愛しておられ(ヨハネ13章23節)、主が死ぬ時に母であるマリアのことを世話するように頼まれた(ヨハネ19章25〜27節)聖ヨハネは、この世から出て行く前にその天国の教会を見ることができました。彼の書いたヨハネの黙示録はそれを描写して、特に21章には詳しく書いています。

勝利の教会には聖人たちがいます。この人たちもかつてはこの世に住んでいました。この人たちは私たちと同じように男だったり女だったり子供だったのです(ヘブライ11章37〜38節)。この人たちも洗礼によって同じ戦う教会に入れられ、この世の生涯を通して同じ三つの敵と戦いました。彼らの多くはしばしば罪を犯したり失敗しました。しかし、だれも戦うことをあきらめませんでした。彼らも私たちと同じように神様の恵みをいただく七つのサクラメントに支えられていました。同じ聖餐をいただき、同じ聖霊なる神様によって力を与えられたのです。本当に彼らは私たちとまったく同じような人々でした。今、彼らは煉獄を通過して、すべての誘惑を越えた勝利、あらゆる困難を克服した凱旋をして、愛する神様の顔を仰ぎ見る天国にいるのです(黙示録22章1〜5節)。

私たちは、いつの日にか彼らと同じように聖人になることもできます。もちろんしばしば罪を犯したり失敗したりするでしょうが、常に立ち上がり、決してあきらめないで戦う力が与えられているのです。地上の各教会から天国までには道が続いています。それはまず暗い死の門を通過します。もっともこれは、主の十字架によってそんなに暗いものではなくなっています。そして煉獄の隠れた場所を通過して天国の勝利の教会に至るのです。これは平坦な道ではありません(マタイ7章13〜14節)が、聖霊なる神様によって、行くことが可能な道です。洗礼を受けた時から、天国には、聖人の冠としてあなたのものが用意されているのです(黙示録2章10節)。

（Ｈ．Ａ．ウィルソン著「チョークと子供たち」より）