(36)凱旋式

『天に昇られました。そして全能の父である神の右に座しておられます。』

使徒信経のこの箇条は、決して私たちの主が昇天日からずっと天国の黄金の椅子か安楽椅子に座っておられる、という意味ではありません。これは、子なる神様が父なる神様と同様の尊敬を受けることだけでなく、人間としてのイエス様がこの世の王であることも意味しているのです(黙示録19章11〜16節)。私たちが神様や天国について話したり考えたりする時はいつも、私たちの思いつく最高の言葉や表現を使っても表しつくせません。 昔、ローマ帝国の将軍が戦争に勝利した時、凱旋式が行われました。勝利した兵隊たちの先頭に立った彼は、故郷の大勢の群衆が歓声をあげて迎える中を行進したのです。私たちの主の昇天は、凱旋でした。大勢の兵隊を従えてではなく、たったひとりで、それまでの最高の勝利をおさめて故郷に帰って行かれたのです。彼の栄光の肉体には、今もゴルゴタの戦いで受けた印があり、天使や天使の頭、そして天の大勢の会衆たちにあがめられています(ヘブライ2章9節)。主は教会全体の頭です(エフェソ1章22節)。主の栄光は天国においてもあがめられています(黙示録21章22〜23節)。永遠にキリストは王様なのです。

主の栄光と誉れを私たちも共有しています。なぜなら、彼は人間であり、私たちの長兄であり、私たちの仲間のひとりです。10月の最後の日曜日は王なるキリストの日です。しかし、私たちは一年中、彼の勝利の誉れを共有しています(ヨハネ14章2節)。

(H.A.ウィルソン著「チョークと子供たち」より)

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