聖書の人物

(25)バト・シェバ(サムエル記より)

『ある日の夕暮れに、ダビデは午睡から起きて、王宮の屋上を散歩していた。彼は屋上から、一人の女が水を浴びているのを目に留めた。女は大層美しかった。ダビデは人をやって女のことを尋ねさせた。それはエリアムの娘バト・シェバで、ヘト人ウリヤの妻だということであった。』(サムエル記下11・2〜3)

ダビデの軍がアンモン人との戦いに出かけていたとき、王ダビデはエルサレムの王宮で夕刻屋上を散歩しつつ、ひとりの女がからだを洗っているのを見た。彼は彼女の美しさに眩惑され、彼女が人妻、しかもその夫は戦場で戦っている王の忠実な部下であることを知りながら、彼女を王宮に招きよせ、これと姦通し、妊娠させてしまった。この女バト・シェバは、やがてダビデの妻とされ、三代目の王ソロモンの母となる。

レンブラントの名画に、全裸のバト・シェバを描いたものがあるが、その表情には、王の突然の招きを受けた時の彼女の困惑が見事に描き出されている。筆者はかつてパリのルーブル美術館でそれを見、その場にしばし立ちすくんだ記憶がある。(佐伯晴郎著「聖書の人々」より)

この絵は、テリエンの聖書物語に描かれた、水浴びをしているバト・シェバをダビデが屋上から見ているところです。

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