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聖書の人物
(19)サムソンとデリラ(士師記より)
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- 『その後、彼はソレクの谷にいるデリラという女を愛するようになった。ペリシテ人の領主たちは彼女のところに上って来て言った。「サムソンをうまく言いくるめて、その怪力がどこに秘められているのか、どうすれば彼を打ち負かし、縛り上げて苦しめることができるか、探ってくれ。そうすれば、我々は一人一人お前に銀千百枚を与えよう。」』(士師記16・4〜5)
- 強力無双の士師サムソンは、イスラエルのために大活躍する。だが彼にも致命的な弱点があった。彼はソレクの谷の妖艶の遊女デリラに恋し、彼女の所に入りびたった。サムソンを憎むペリシテ人たちに買収されたデリラは、サムソンの怪力がどこからくるのかその秘密を聞こうとするが、再三の試みにもかかわらず、彼はそれを明かさない。「そこで女はサムソンに言った、『あなたの心がわたしを離れているのに、どうして“おまえを愛する”と言うことができますか。あなたはすでに三度もわたしを欺き、あなたの大力がどこにあるかをわたしに告げませんでした』。女は毎日その言葉をもって彼に迫り促したので、彼の魂は死ぬばかりに苦しんだ」(士師記16・15〜16)。
- このデリラの必死の言い寄りについに彼も屈伏し、彼女にだけ秘密を明かす。それが彼の命とりになってしまい、無力になったサムソンはペリシテ人に捕らえられ、両眼をえぐられ、青銅の足かせをはかせられ、ダゴンの神殿で彼らのなぶりものにされた。最後の声をふりしぼって主に呼ばわり、宮の柱をゆり動かして神殿を崩壊させ、その場にいた数千人のペリシテ人もろともに死んだサムソンは、戦うときは獅子のように強かったが、女性に対しては草花のように弱い男であった。(佐伯晴郎著「聖書の人々」より)
- この絵は、テリエンの聖書物語に描かれた、サムソンの怪力の秘密である長い髪の毛を切られているところです。サムソンに膝を貸しているのがデリラです。
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